【物語】続、髭の騎士。

創作話
インスタやっております( ´∀`)
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ノイマンは、外観を注意深く観察していた。

遺跡……そう呼ぶには、あまりに無残な建造物と化したモノ。

天使を模したとおぼしき石像は頭部の箇所のみ破壊され、美しかったであろう壁のレリーフも糞尿ふんにょうまみれていた。

そして…

「…監視している奴がいるな。手を出してこない所を見ると、明らかに委縮している」

遺跡の高台には魔物が潜んでいる。しかしノイマンの放つ異様な気配に気圧けおされ、攻撃を仕掛けてくる気配はない。

それならばと、遺跡の内部へ急ぐノイマン。



内部は一本道だった。所々壊れた天井から光が漏れているため、足元にも不自由はない。

しばらく進むと、回廊はまるで劇場のような広間に繋がっていた。

ノイマンが不敵にも部屋の中央に飛び出すと、天井から声が響いてくる。

「なんだお前は。むさ苦しい男を招待した覚えはないぞ?」

重低音を響かせ、しかし流暢りゅうちょうに人語を話す魔物と思しき影。

天井から地面へゆっくり降りてくると、目の前に炎の玉を出現させる。

炎に照らされ、徐々に姿が目視できるようになった。

その顔は蝙蝠コウモリのような外見をしてはいるものの、体は人間のような姿であった。

「……黙って娘を返せ」

静かに言い放ち、辺りに目をやるノイマン。

少し離れた前方に女性が倒れている。

「おい、娘は無事なんだろうな?」

「当たり前だ。これから大事な儀式をする所だからな?」

卑しい表情を浮かべ、舌なめずりする魔物。その顔を見、ノイマンは剣を抜く。

「ならいい、もう喋るな。」

言うが早いか、ノイマンは斬りかかった。が、魔物は紙一重でかわす。

「無駄なことよ……ククッ」

その後も斬撃を繰り出し続けた。

並みの魔物であれば、一刀のもとに斬り捨てているほどの鋭さを持つ斬撃。それがことごとくかわされてしまう。

「(こいつは……ふむ、間違いない)」

「間違いない?その通りだ」

ノイマンが思った事に対し、魔物は反応してくる。

「…やはりな、貴様は私の思考を読んでいるのだろう」

悟り……相手の思考を感じ取り、反応する能力。魔物が持っているような能力ではない。

「魔族ということか……面白い」

にい、と笑ってみせるノイマン。

「クハハ、何がおかしい……む!?貴様、今何をした!!?」

ノイマンの思考を感じ取ろうとした魔族の男が、困惑し始めた。どうしたわけか、思考が全く読めなくなったのだ。

「何をした、とは変なことを言う。お前を倒す戦術を練っているだろう?ほら、思考を読んでみろ」

「馬鹿な!!全く読めないだと……そんなはずはない!!」

戦術を練りながら話しているノイマンだが、男はその思考を読むことが出来なくなっていた。

「…読めるはずもないだろう。その力は自分より魔力の劣る相手にしか発動せんからな」

「なんだと……ただの人間が上級魔族たる俺を上回る魔力を…」

「もっとも……私の魔力ではないが」

言葉を交わした後、ノイマンの体が闇に包まれていく。

「な、なんだそれは…その存在は…!!!まさか」

驚愕きょうがくし、震え立つ男。それを一瞥いちべつしたノイマンはつぶやいた。

「……準備はいいな、ニムロデ(※)」

すると闇に包まれたノイマンの姿が、みるみる形を変えていく。

その姿は黒衣をまとった魔族のようである。背丈は倍ほどに伸び、筋骨隆々の腕には剣が握られている。

全力でかかってもよろしいので?

…駄目に決まっている、私の体と遺跡が消滅してしまうからな。

では稽古をつける程度の力で

ノイマンの口から別々の声が放たれる。片方は、明らかに異なる声で返答している。

ノイマンとニムロデと呼ばれる者、一人の体で二人が話しているのだ。

その状況を見、慌てふためき戦闘態勢に入る魔族の男。

…参りますぞ、ぼっちゃん

そうつぶやくと、ニムロデを纏ったノイマンは男を目掛け疾走はしり出す。

その動きはまるで物理法則を無視するかのように、地面を滑るように進んでいった。

繰り出された右手の剣は男の首を捉え、その漆黒の影は静止する。

左手には、すでに男の首が握られていた。

おやおや、あっけないことで……全く、これなら体操の方が運動になりますな。

…私としては楽でいいのだが。ありがとうな、ニムロデ。

やれやれ、坊ちゃん一人で片づけられる相手だというのに…。

…まあ、それはそうなのだが。時間をかけていられんからな」

一つの口で交互に会話していると、徐々に姿が戻ってゆく。

「さて……娘を連れて帰らねば」

ノイマンは、女性の無事を確認すると足早に遺跡を出た。

外に出た瞬間、二体の魔物が襲い掛かってきた。

しかし肩に女性を抱えたままのノイマンは避けなかった。

避けもせず、剣も抜かず、魔物の頭を拳で殴りつけた。

魔物は絶命し、もう一体は恐れをなして逃走する。

「…高台で震えていればいいものを。命を粗末にしすぎだな」

絶命した魔物に軽く目をやり、ノイマンは村へ戻っていった。

鬼崎じゃ( ´∀`)ノ

髭の騎士、どうじゃったかのう。即興で書いたから、所々変な文になっとるかもしれん;

なんちゅーか、たまにこういうネタを書きたくなるんじゃよな。

いつもは前置きのネタということで、コンパクトな感じに抑えておるのじゃが( ˘ω˘ )

あと村に帰ってからの話もあるのじゃが、まあ一区切りというところじゃて。

なぜ娘はさらわれたのか、肝心なところを書いておらんが……それはまた次にでも( ´∀`)フォッフォッ

とりあえず…

すっきりしたわい(・ω・)

さてさて。長々とヘンテコな話を書いたというのに、ここまで読んでくれた方には感謝しかない( ˘ω˘ )アリガトネ

さらばじゃ!( ´∀`)ノシ

※……ニムロデとは、ノイマンと命を共にする上級魔族。その正体は、魔族の魔力を魂ごと体に取り込もうとし、その過程で死んだ術師のなれの果てである。

ノイマンのことを坊ちゃんと呼ぶ。

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